給料は「利益」から出るもの?「社長の苦悩」と労働基準法の本当の関係
実は私自身、労働者として働いていた時期もあれば、個人事業主として自分で稼ぐ経験もしてきました。だからこそ、この「利益を出す大変さ」と「お給料をもらう側の気持ち」、両方が痛いほどわかるのです。
今日は、感情論だけではない「お給料と利益の本当の関係」についてのお話です。
「利益から出す」という言葉に隠された違和感
労働者として働いているときは、「時間通りに働けばお給料がもらえるのは当たり前」と思いがちです。私もかつては「お給料が安いなぁ」なんて不満をこぼしながら業務をこなしていた一人でした。
しかし、個人事業主になって気づいたのは、「稼働した時間 = お金」ではないという厳しい現実です。10時間働いても成果が出なければ収益はゼロ。その経験をすると、経営者が「お給料を捻出するのは大変なんだ」と言いたくなる気持ちも、少しだけ理解できる気がしました。
おそらくSNSでポストした方も「みんなの生活を守るために、必死に利益(全体の売上)を上げているんだ」という責任感から出た言葉だったのかもしれません。今月の必要なお金いくらかかる…なんて考えると心がヒリヒリするものです。
ですが、ここで大切なのは「経営の大変さ」と「支払いの義務」は別物であるということです。
お給料は「ご褒美」ではなく「経費」
会計のルールでは、お給料は「利益」から出すものではありません。計算の順番はこうなっています。
- 売上(お客さんからもらったお金)
- 費用(材料代、家賃、★スタッフへのお給料★など)
- 利益(売上から費用をすべて引いた「残り」)
つまり、お給料は利益が出る前に支払われるべき「費用」です。売り上げからお給料を引いたあとに残るのが利益。順番が逆なのです。
SNS投稿にあったような「利益から出している」という言葉は、本来支払うべき代金を、あたかも自分の持ち出しで「恵んであげている」ように聞こえてしまうため、多くの反発を招いてしまう恐れがあります。
法律が守ってくれる「お給料」の絶対ルール
たとえ経営がどれほど苦しくても、これだけは絶対に守らなければならない法律があります。それが労働基準法第24条です。
労働基準法第24条(賃金支払の原則)
出典:e-Gov法令検索 労働基準法
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。
これを私たちの生活に当てはめると、「どんな事情があっても、決まった日に、働いた分を全額現金で払うのが絶対の約束」ということです。
お店で商品を買うときに「今月は生活が苦しいから、代金は払えないよ」と言って品物だけ持っていくことはできませんよね。
人を雇うということは、その人の「時間」と「力」という商品を購入する契約を結んでいるのと同じです。会社の利益が黒字か赤字かに関わらず、受け取った労働の代金を払う義務から逃れることはできないのです。
「人を雇う」という重いリスクと感謝の姿勢
一人で運営するのが難しいからこそ、人は助けを借りるために誰かを雇います。経営者が必死に仕事を作ってくるのと同時に、労働者もまた、自分の人生の貴重な時間を会社に提供して支えています。
「雇ってやっている」という姿勢ではなく、お互いに「助けてもらっている」という対等な関係であるのが理想ですよね。稀にいますよね、雇用主だから偉いと思っているのかスタッフを頭ごなしに怒鳴る方。
お互いが助け合っているという感覚がないと、このような態度になってしまうこともあるでしょう。
また、人を雇う以上、そこには必ず「利益に関わらず給料を払う」というリスクと責任が伴います。それを引き受けるのが、経営という道の厳しさであり、覚悟なのだと感じます。何か事業をするというのは本当に難しいものです。
大切なのは「知ること」で自分を守ること
もしあなたが職場で「今、会社が大変だから給料を我慢してほしい」と言われたら、あなたの優しさは「申し訳ないな」と感じてしまうかもしれません。でも、それはあなたが背負うべき責任ではないのです。
労働者と経営者、両方の視点を知理、お互いの立場を理解した上で、自分を守るための正当な権利を知るためです。この記事が、今お仕事の人間関係や待遇で悩んでいるあなたの、心の整理のお手伝いになれば嬉しく思います。
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