法定内残業でも残業代は出る|「実働7時間だから払わなくていい」は間違いです
「うちは実働7時間だから、残業代は払わなくていい」
これ、間違いです。
4つの病院を束ねる医療法人の事務長でさえ、こう言い切りました。でも法律は違います。今回は、法定内残業と法定外残業の違いを知らない会社での実体験を書きます。
面談では聞いていなかった「暗黙のルール」
その会社の面談では、「8時ちょっと前にフロアに降りればいい」と言われていました。だから2日目も同じ時間に出勤しました。するとフロアではすでに全員が準備を終えていて、スタッフから「新人が一番遅く来ている」という目で見られました。冷たい態度でした。
実態は7時40分から準備を始めるのが「当たり前」になっていたのです。面談では一切そんな話はありませんでした。契約上の始業時間は8時。それより20分早く働かせておいて、残業代は払わない。これは立派な労働基準法違反です。
法定内残業と法定外残業、何が違うのか
ここで整理しておきます。
労働基準法では、1日の法定労働時間は8時間と定められています。この8時間を超えた残業が「法定外残業」で、25%以上の割増賃金を支払う義務があります。
一方、会社が独自に「実働7時間」と定めている場合、7時間を超えて8時間未満の残業は「法定内残業」と呼ばれます。この場合、割増は不要ですが、通常の賃金は支払わなければなりません。
つまり「実働7時間の会社だから残業代ゼロでいい」は完全な間違いなのです。
事務長の返答は「どうぞ」だった
私は以前、別の会社で退職時に有給消化をさせてもらえなかった経験から、自分の労働条件について詳しく調べるようになっていました。疑問があればすぐに労基に電話相談するようにもなっていました。
ひとつコツをお伝えすると、労基の電話窓口は担当者によって知識の差があります。「詳しい方にお願いします」と一言伝えるだけで、より的確なアドバイスをもらえます。
事務長に残業代の支払いを求めると、「うちは実働7時間だから」と言い切られました。そこで「労基に相談してみます」と伝えると、返ってきた言葉は「どうぞ」でした。法律を知らないからこその強気だったのだと思います。
内容証明を理事長宛に送った理由
労基に相談したところ、「残業をさせること自体は問題ないが、残業代を払わないことは違法なので、残業代の請求を内容証明で理事長宛に送りなさい」とアドバイスをもらいました。
私は1週間で辞めていたので、金額としては微々たるものでした。それでも内容証明を送ったのには理由があります。
その医療法人には系列病院が4つあり、10年・20年と長く勤めているスタッフがたくさんいました。その人たちは今まで残業代を受け取れていなかったということです。知らないまま、ずっと。
私は辞めてしまえばそれで縁が切れます。でも長く勤めてきたスタッフはどうなるのでしょうか。労働基準法で定められた最低限の権利すら与えない会社の態度が、今まで何十年と勤務してくれた人達にとって、あまりにも酷。だから動きました。
内容証明を送ったあと、残業代は支払われました。このような場合、支払い義務が発生するということを上層部に知ってほしかったのです。
労働基準法は「最低限」のルールです
雇われる側も、労働基準法について勉強する必要があります。知らないうちに搾取されてしまっているからです。
労働に注いできた時間は命の時間だと思ってください。かけがえのないとても大切なものです。
そして雇う側には伝えたいことがあります。労働基準法を「面倒なシステム」とか「罰せられるから守る」という意識で捉えないでほしいのです。
この法律は、働く人を大切にする気持ちから生まれた最低限のルールです。最低限のものすら与えない職場は、子供を産みはしたけど愛情を注いで育てない親と似ていると、私はどうしても思ってしまいます。
スタッフを大切にする気持ちから法律を守ってほしい。それを切に願います。
この記事のまとめ
法定内残業(会社の所定労働時間を超えて法定の8時間未満の残業)でも、通常の残業代は支払わなければなりません。「実働7時間だから残業代ゼロ」は法律違反です。
おかしいと思ったら、まず労基に電話を。「詳しい方にお願いします」の一言を忘れずに。
労基違反の実態。雇用契約書に書いてあるのに有給を取らせてもらえなかった体験談。
面談での違反発言を無視して入社したら1ヶ月で退職することに。法律違反する会社の実態。

コメント
コメントを投稿
共感した・同じ経験がある・感想など、お気軽にコメントしてください😊